禁煙治療の健康保険適用について
2006年4月より、禁煙治療が健康保険での適用となりました。
また、2020年4月より加熱式タバコを喫煙している患者についても、「禁煙治療のための標準手順書」に沿って禁煙治療を行うこととなりました。
日本での肺がんによる死亡者数は年間約6万人(厚生労働省人口動態統計より)と、がんの死亡者数で一番多い疾患となっています。
喫煙は単なる習慣や嗜好と考えるのではなく、ニコチン依存症という病気としてとらえ必要な治療を行うことが大切です。
治療は一定の条件を満たしていれば、どなたでも受けることができます。
今まで自分の意志では禁煙できなかった方も、諦めずに当院にご相談ください。
禁煙外来の保険適用条件
初回の診察で以下の条件にあてはまれば、健康保険を使って禁煙治療が受けられます。
- すぐに禁煙しようと考えている
- ニコチン依存症のスクリーニングテストが5点以上 スクリーニングテストはこちら
- ブリングマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上 ※35歳未満の方はこの条件は不要
- 禁煙治療を受けることを文書により同意していること
- 過去1年以内に健康保険を使った禁煙治療を受けていないこと
治療の流れ・内容
初回
治療法の説明のほか、ニコチン依存度、喫煙状況、禁煙の関心度などをチェックします。また、禁煙開始日の決定と「禁煙誓約書」にサインしていただき、禁煙補助薬を処方します。
2回目
初回から2週間後に喫煙状況の再診をし、禁煙補助薬を追加処方します。
3・4回目
初回から4週間後、6週間後、出現した離脱症状の確認や継続に向けてのアドバイスをし、禁煙補助薬を追加処方します。
5回目
初回から8週間後、最後の再診で治療完了となります。禁煙補助薬の処方はありません。
※すべての回で呼気中(吐き出す息)の一酸化炭素濃度測定を行います。
禁煙補助薬(ニコチン置換療法)
当院の禁煙治療はニコチンパッチ(ニコチネルTTS)を用いて行います。
ニコチンをパッチで補給することで、禁煙による離脱症状を緩和しながら禁煙に導きます。投与する量を徐々に減らすことで身体的依存を克服し、最終的に禁煙補助薬の使用を終了します。
ニコチン置換療法は、意志だけを頼りにするよりも禁煙成功率が2倍高まると言われています。
ニコチンパッチの断面図
|
パッチ |
3割負担 |
2割負担 |
1割負担 |
初回 |
TTS30 14枚処方 |
3,200円 |
2,100円 |
1,100円 |
2週間後 |
TTS30 14枚処方 |
3,200円 |
2,100円 |
1,100円 |
4週間後 |
TTS20 14枚処方 |
3,200円 |
2,100円 |
1,100円 |
6週間後 |
TTS10 14枚処方 |
3,200円 |
2,100円 |
1,100円 |
8週間後 |
処方なし |
1,600円 |
1,100円 |
600円 |
※ニコチンパッチの料金を含む概算です。調剤薬局での算定条件などでも金額が異なります。